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シングルマザーが年収150万円で貯金しながら不動産を購入。『100万円で家を買い、週3日働く』

 

100万円で家を買い、週3日働く (光文社新書)

100万円で家を買い、週3日働く (光文社新書)

 

 

近年、さまざまな物に対する所有志向が「シェア志向」へと変化している。カーシェアやシェアハウスなどの広がりが分かりやすい例だと言えよう。
 
経済的な事情もひとつの要因だろうが、人々は時代を経て、「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へと追及する対象を変えつつあるようだ。
 
毎日一生懸命働き、それによって収入が増えることはうれしいことだ。好きなモノや憧れていた高級品を手に入れ、満足感に包まれた生活を送ることもできるようになる。
 
しかし、仕事に追われて身も心も疲弊した毎日は、全面的に素晴らしいとは言い難い。いくらモノに満たされていても、その生活の中で「心の豊かさ」を得ることができるとは限らないからだ。
 
そう迷いながら多忙な生活を送り、モヤモヤを抱えているあなたに、本稿では『100万円で家を買い、週3日働く』(三浦 展/光文社)をご紹介したい。
 
魅力的なこのタイトルだけでも、グッと惹かれてしまうのは私だけではないだろう。
 
本書は社会デザイン研究者である著者が、最近の若い世代の動向から特徴的なものを取材したレポート集である。その取材をしていく中で出会った人々のモデルケース、すなわち、各人の創り出した「新しい生き方」が紹介されている。

■家賃1万円! 離島で豊かに暮らすシングルマザー

 

「リノベの女王」と呼ばれ、リノベーション業界では有名な福岡県在住のシングルマザーが、子供と一緒に長崎県五島列島に移住。借りたのは中心地である福江島の古民家で、家賃は都会生活者からみると破格の1万円だという。
 
彼女は現在放射線技師として年の3分の1の期間だけ働いており、年収は150万円ほど。
 
毎月4万円のひとり親手当はすべて貯金に回し、不動産購入や自宅のリノベーション資金にあてている。経済的にもきちんとゆとりを持ちながら、子供とのゆったりした島暮らしを満喫しているようだ。
 
そんな彼女は、移住してただ暮らすことだけに留まらない。
 
借りた古民家は自分でカフェのような洒落た内装にリノベーションを加え、訪ねてきた人をそこに泊めるという活動を始めたのである。
 
その後、さらに2階建てのビルと新たな物件を購入。自身のリノベーションによって観光客が集まる人気の宿を作り上げ、外部業者と共同で事業運営を行っているという。
 
彼女は「年収150万円なのに、ビルと2つの不動産を購入できたのは、田舎に暮らしていたから」と語る。
「都会での消費まみれの生き方に違和感がある人は、早く田舎に逃げてくればいいのに」と提案しながら、さまざまな形で島の豊かな生活と五島列島の魅力を発信し続けている。

■100万円で東京郊外に家を買い、週3日働く女性

 

次に紹介する女性は、海外旅行で体験したゲストハウスの良さに刺激を受け、帰国後にシェアハウスの企画・設計・運営を行った人物だ。
 
シェア生活の楽しさを、身をもって知った彼女は、東京郊外、神奈川県・横須賀市の山の上にある築70年ほどの家を100万円で購入。当時は廃屋同然だったこの家を、1年かけて自力でリノベーションし、創意工夫が凝らされた素敵な住居を作り出した。
 
彼女は、この家に友人を呼んだりしながら「過ごす時間」を楽しみたいと語る。そのために、会社と相談しながら週6日勤務を3日に減らしてもらったのだとか。
 
現代のサラリーマンにとって、家は帰って寝るだけという場所になってしまいがちだ。
 
そのため、会社の近隣のマンションに高い家賃を支払うという人も多い。しかし、家を「自分が過ごしたい場所」にしようと思うならば、このような暮らし方はとても魅力的だ。
 
上にご紹介した2人のような生き方に、希望の光を感じる人も少なくないのではないだろうか。
 
毎日の忙しさや自分の懐事情など、実生活のなかで窮屈に感じることは多いかもしれないが、ただ目の前の状況を嘆くばかりでなく、工夫次第で自分なりの幸福を勝ち取る方法があることを本書から知ることができる。
 
身や心を削ることなく、無理なく手に入るものを創意工夫で駆使し、自身の力でゆとりのある生活を創り上げていく。
そんな生き方を目指すことも、「心の豊かさ」を育てていく手段のひとつなのだと気づかされる読書である。

 

100万円で家を買い、週3日働く (光文社新書)

100万円で家を買い、週3日働く (光文社新書)