30代サラリーマンの徒然なるブログ

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栃木vs茨城、千葉vs埼玉、静岡vs山梨・・・面白すぎる県民バトル

自分の生まれ育った場所を愛する“地元愛”は、なんだかんだ誰もが持ち合わせている。それは常に出ているものではないが、ふとしたときににゅっと出てくる。

たとえば、隣の県に住む人が、その地域の地元愛をぶつけてきたとき。もしくは、隣の県に住む人が、自分の住む地域に張り合うようなことを言い出したとき。触発されるように、にゅっと出てきた地元愛が激突する。

犬猿』(矢野新一/ワニブックス)は、“絶対に負けられない県が隣にある!”という当地域の熱き“いがみ合い”…じゃなくて…熱き“戦い”を克明に記した本だ。

その地域に住む人以外は遠くから眺めて楽しい…うーん違う…他の地域に住む人以外にも知ってほしいがために出版された経緯がある。

県民研究の第一人者である著者の矢野新一さんが、本書で“犬猿”な地域を深掘り検証しているので、その一部をこの記事でご紹介します。

■「北関東ナンバーワン」をかけた茨城県と栃木県の争い

残念ながら全国的に知名度の低い北関東の3県、茨城県・栃木県・群馬県は、地図上では仲が良さそうに見える。

しかしここで「北関東ナンバーワン」を争う熾烈な戦いが行われていることはあまり知られていない。

矢野さんによると、特に茨城県と栃木県はライバル関係にあり、火花を散らしているそうだ。

人口では、茨城県が296万人、栃木県が199万人と、差が開いているため、栃木県は「茨城には負けたくない」という思いが強い。

一方、茨城県は栃木県をライバル視しながら、「埼玉県と千葉県にも負けたくない!」という思いも抱くという。

本書を読むと、茨城県は触れるものみなケンカを売るヤンキーのような印象を持つ。

「北関東ナンバーワン」を争って茨城県・栃木県・群馬県がライバル関係にあるのだが、複雑なことにこの3県は共通して、「対埼玉」意識を持っているようだ。

「この3県のすぐ南にある埼玉県北部はまったく都会的じゃないから、オレたちだって負けていない!」

そんな向上心の高い北関東三兄弟。彼らにはぜひ頑張ってほしいところだが、当の埼玉県は「対千葉」意識で忙しい。

■50年以上続く首都圏の第3位をかけた因縁の戦い

東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県山梨県という「1都7県」をひとくくりにまとめた「首都圏」。

そのうち東京都と神奈川県は別格だ。首都圏どころか日本の第1位と第2位の実力を持つ。

そこで争われているのが、首都圏“第3位”の行方。第3位候補の千葉県と埼玉県が激しく火花を散らしているのだ。

この戦いは、千葉県が215万人に対して埼玉県が218万人だった、1952年の人口調査から始まったとされる。

「神奈川に追いつくのは無理かもしれないけれど、埼玉県だけには負けたくない!」
「千葉とだけは一緒にされたくない!」

ライバル関係の根底にあるのは「どちらがダサいか」という「田舎者比べ」であり、そんな張り合いを50年以上続けているという。

これほど不毛な…いかん本音が漏れた…これほど「両者が手を取り合う道はなかったのか?」と感じる戦いはないのではないか。今からでも間に合うので、仲良く協力し合う未来を探してほしい。

■富士山を争って“県境が未確定”な山梨県静岡県の対立

悲しいことに関東という場所は、小競り合いが頻発する地域のようだ。首都圏の一角・山梨県と東海地方に属する静岡県は、富士山を争って対立しているという。

この問題を理解するには、江戸時代の徳川家康が行った“発端”までさかのぼらなければならない。

関ヶ原の戦いに勝った家康はそれを記念して、富士山をご神体としてお祀りする浅間大社の本殿を造営し、境内を整備した。それと同時に富士山八合目以上を境内地として寄進した。よって富士山の山頂は浅間大社の私有地となった。

ところがどっこい、明治維新で富士山八合目以上は国に没収。その上で改めて国から浅間大社に無償貸与がなされた。

その後、戦争などがからんで裁判などのヤヤコシイことが色々あったのち、浅間大社は国から“無償譲渡”を勝ち取る。

めでたしな浅間大社の一方、浮き彫りになったのが山梨県静岡県の県境問題。

富士山の八合目以上がすったもんだしたせいで、両者の県境が未確定になってしまったのだ。

「千円札の裏にも描かれる美しい富士山は山梨県側から見たものだ!」とのたまう山梨県民と、「山梨県側から見えるのは裏富士。つまりB面」と切り捨てる静岡県民は、両者一歩も譲らず対立が深まるばかり。

一番可哀想なのは、県境が未確定なせいで土地の登記ができない浅間大社な気もするが、“触らぬ神に祟りなし”という具合に遠くから見守っておくのがベターだろう。

■読者は審査員になった気分でそれぞれの地域に判決を下してください

残念なことに、とても残念なことに、ここまでの内容は本書の一部だ。“犬猿”たちの争いの表面をスプーンでひょいっとすくったにすぎない。

本書は歴史的な成り立ちや県民性、さらに恋愛観まで詳しく調査し、それぞれの地域を丸裸にして“犬猿”の争いの様子を克明に切り取る。

県の境界線を決めたときの“不正”をめぐって380年近くもわだかまりを残す宮城県岩手県

日本一「隣の県と一緒にしないで!」というガチンコなライバル関係を築く五十歩百歩な…ダメだ悪口だ…似た者同士の争いを繰り広げる鳥取県島根県。たった4つの国しかないのに仲良くできなかった四国の観光地・愛媛県と四国の玄関口・香川県

どれを読んでも「他人のケンカは面白いなー」という…おっと自重しないと…「両県の争いは香ばしいなー」という味わい深さを感じる。

ぜひ本書を読んで、読者は審査員になった気分でそれぞれの地域に判決を下してほしい。

これほど地元愛をくすぐられる書籍も少ないだろう。地方の過疎化が進む日本だが、やっぱりみんな生まれ育った地元が大好きなのでしょうね。