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肥満のメカニズムを知らずにダイエットは成功しないなと思わされた本

「太るのはイヤ」そう思っている人は多い。しかし、日本でも食の欧米化などにより太っている人は増え続ける一方らしい。なぜ私たちはイヤだと思っているのに太ってしまうのだろう。

おいしいものがたくさんあるから? 意志が弱いから? そのメカニズムを解説しているのは『一度太るとなぜ痩せにくい?』(新谷隆史/光文社)です。

著者の新谷隆史氏は、動物に備わっているさまざまな仕組みを明らかにしている研究者である。

本書では、私たちがおいしい食べ物を認識する仕組み、食欲が生み出される仕組み、太ってしまう仕組み、そして肥満によって生じるさまざまな病気の仕組みが明らかにされている。

■肥満=豊かさの象徴

多くの人にとって興味深いのは、砂糖と脂肪が増えている背景に対する指摘だろう。人類は、甘いものや脂っこいものをおいしいと感じるように進化してきた。

甘い物や脂っこいものにはエネルギーが豊富に含まれているため、生きていくために必要だったからだ。

しかし、飽食の時代になった現代ではそうした性質が仇となっている。砂糖と脂肪は安く簡単に手に入るため、身の回りの多くの食品に使われている。

つまり、肥満は経済的な問題もはらんでいるということになるだろう。近年、野菜や魚類の消費量が減っていることが指摘されているのも、そうした事実と密接に関係があるといえるかもしれない。

■太るのは仕方ないのか

このように考えると、現代人のライフスタイルこそが肥満を作り出しているといえそうだ。砂糖や脂肪を多く摂れば太ることは分かっているし、運動をした方がよいことも私たちは重々承知している。

しかし、栄養のある身体によい食べ物を選んだり作ったりする余裕がない人が大半というのが実態である。言うなれば、私たちは太るべくして太っているのだ。

では、太るのは仕方がないことなのだろうか。

あとがきの中で、著者は「日本では、肥満の怖さが社会的にも個人的にも軽んじられている」と言っている。

美容以外の面で普段から肥満を気にかけている人は少なく、健康診断で何らかの異常が出てからやっと肥満に対して真面目に向き合うという人も多いだろう。

医療保険制度が利用できるのはすでに健康面で何らかの問題が起きてしまった人であり、予防の施策が少ないことからも日本では肥満は個人の力で闘う必要がある国だというのが著者の主張だ。

▪️肥満の仕組みを知ることから始める

肥満は病気ではない。しかし、肥満は高血圧や糖尿病などのさまざまな生活習慣病の引き金となることを考えると、国も私たち一人ひとりももっと真剣に向き合うべきだと感じる。

個人レベルで肥満と闘うためには、こうした肥満の原因となる生活習慣を改めていく必要がありそうだ。

忙しさのあまり運動もできず、ストレスもかかえて太ってしまった結果、命にかかわるような病気になってしまっては踏んだり蹴ったりだ。

それを避けるために必要なのは、本書で得られるような知識だろう。なぜ太るのか、肥満がよくない理由をしっかりと理解する。

その上で、原因を一つ一つ潰していく。「忙しいから仕方ない」で片付けてしまうのは、思考停止に陥っているサインかもしれない。

どうしたら余裕が生まれるかを考える。目先の便利さや簡単さではない、中長期的な視点を持つことも欠かせないだろう。

肥満に勝つ生活習慣を手に入れるというのは、ある意味ぜいたくなことなのかもしれない。

それでも、そうした生活習慣を手に入れるために考え、動くことは意味のあることだ。目に見えるモノを手に入れるより、価値のある財産といえるだろう。

 

一度太るとなぜ痩せにくい? 食欲と肥満の科学 (光文社新書)

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