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世帯年収800万円以上に潜む「隠れ貧困」の驚きの理由『あぶない家計簿』

 

あぶない家計簿 日経プレミアシリーズ

あぶない家計簿 日経プレミアシリーズ

 

 

景気が回復しているようで、増え続ける税金の負担によって実質所得が伸び悩む日本。一部の富裕層が恩恵を受け、一般家庭は苦しいままとされている。
 
一方、いわゆる「中の上」とされる世帯年収800万円以上の家庭も「隠れ貧困」の危険があるという。そう指摘するのは『あぶない家計簿』(横山光昭/日本経済新聞出版社)だ。
 
世間一般の認識としては、並以上の暮らしが送れ、高収入による高い税金に悩まされる心配もない、一番幸せな家庭のはずなのだが…果たして「中の上」の家庭に何が起きているのか? 本書よりその理由を少しだけのぞいてみよう。
 

■月15万円も浪費して「生活費が足りない」と相談にくる主婦

 

著者は、ファイナンシャルプランナーとしてこれまで1万5000人を超える家計を再生した横山光昭さん。本書では、横山さんがこれまで相談を受けた実例をもとに、「中の上」の家庭に潜む隠れ貧困のワナを解説している。
 
その典型例として挙げられるのが、“会話のない夫婦”によって陥る「ブラックボックス家計」だ。都内に住む専業主婦のIさん(36)は、「夫が毎月くれる生活費では足りないのに、お金を増やしてくれない」と横山さんに相談にきた。
 
話を聞けば、夫が士業事務所の経営者で手取り55万円ほどあるのに対し、夫婦の貯蓄が合わせて80万円しかないという。世間一般の感覚ならば頭に「?」が浮かぶこの相談、もう少し詳しくみてみよう。
 
夫は経営者のため、夜は飲み会中心であまり家にいない。そのためお金の相談をしにくい雰囲気がある。
 
しかし家庭に無関心というわけではなく、「家族で温泉に行こう」と楽しそうに勝手に予約する。そのため交際費と娯楽費でお金が飛ぶように消えていくのだという。
 
一見すると夫に原因がありそうだが、横山さんが話を掘り下げると、Iさんにも原因があった。夫が外食していることを理由に、Iさんも子どもと一緒に外食へ出かけ、さらに惣菜も多数購入していたのだ。
 
結果、Iさんは食費と娯楽費だけで毎月15万円近くを消費。一方、夫の交際費は5万円程度。
 
相談に来るまで、夫婦は家計に関する話し合いをほとんどしていなかったようだ。
 
横山さんを交えて夫婦で家計を確認すると、夫は「どうして赤字になるの?」と驚く。本書を読んだ人は呆れて開いた口がふさがらないのではないか。
 

■夫婦で家計について話し合い、地道な節約に取り組むべし

 

このように「中の上」の家庭はお金にある程度余裕がある分、“プチ贅沢”を重ね、知らず知らずのうちに「メタボ家計」に陥ることがある。
 
1回の外食は3000円ほどとしても、それを10回重ねると3万円になる。500円の惣菜を毎日買うと1万5000円の出費だ。これこそ「中の上」が陥りやすい「隠れ貧困」のワナ。
 
今はほどほどに収入があったとしても、50代を超えるとゆるやかに落ちていく。
 
定年で退職金をがっぽりもらったとしても、住宅ローンや教育費であっという間に飛んでいく。
 
年金や社会保障が期待できない現代において、しっかりとした貯蓄を備えておかないと老後を乗り切ることができない。
 
しかしIさんの家庭は夫婦で家計について話し合っていなかったので、浪費の発見ができなかった。
 
この生活を続けていれば手遅れになっていただろう。
 
この後、Iさん夫婦は横山さんのアドバイスによって食費と娯楽費を見直し、月に10万円近くの貯金を生み出した。
 
アドバイスといっても、定期的に家計について話し合う機会を設け、夫に弁当を作ってあげて、飲み会の機会を極力減らし、Iさんの外食を見直した程度だ。
 
横山さんは本書でこう語る。
 
金銭面の改善には「ウルトラC」などありません。何か一つの変化で急に収支が改善し、貯蓄が十分に潤うようになるなどということは、通常はあまりないのです。

 

 
 世帯収入400万~500万円台の一般的な家庭も、800万円以上ある「中の上」の家庭も、家計の管理法は一緒だ。自身の支出を見直し、節約法を取り入れ実践し、きちんと効果が出ているのか家計簿をつけて再度見直す。この地道な作業こそが貯蓄につながる。
 

■本書に登場する目を疑う「中の上」の人々…

 

「中の上」の家庭は少々お金に余裕がある分、“当たり前の生活”を見失うことがままあるようだ。
 
本書には、Iさんのような人々が驚くほど登場する。教育費と食費に月55万円以上かけて「贅沢はしていないのですが…」と相談にくる主婦、公務員で退職金として2000万円もらえることを理由に「赤字でも現状維持で」と言い張る夫、「やりくり上手で家計の達人」と思われたいがために「表の家計簿」と「裏の家計簿」を使い分ける妻など、思わず目を疑う人々の連続だ。
 
それだけ多くの人が家計をしっかり管理できているようで、できていない裏返しの事実なのかもしれない。
本書は、しっかり家計を管理しているつもりだけどできていない、家計を客観視できない「隠れ貧困」予備軍のための指南書だ。
「あれ? どうしてお金が貯まらないの?」と思いながら生活をしている人は、ぜひ本書を手に取ってほしい。節約や家計の管理は簡単なようで難しいものだと、本書を読むことで思い知らされる。

 

あぶない家計簿 日経プレミアシリーズ

あぶない家計簿 日経プレミアシリーズ